脳死後20年間心臓動いた例 米医師が報告
2005年 05月 17日
アサヒコム 2005年05月17日22時49分
臓器移植法の改正論議が続く中、「脳死」後も長く心臓が動き続けた患者について研究したアラン・シューモン米カリフォルニア大ロサンゼルス校教授(小児神経内科)が17日、国会議員の勉強会に招かれて、東京都内で講演した。4歳で脳死と診断された後、20年心臓が動いた男性患者について報告し、「我々は脳死は死ではないと分かるようになってきた」と話した。
脳死状態になると、多くは数日内に心臓が停止するとされている。だが、この男性は感染性髄膜炎から「脳死」状態に陥ったものの、人工呼吸器などを着けたまま、その後20年、心臓が動き続けたという。
小児の脳死判定は難しく、日本では6歳未満の判定基準はまだ確立していない。また、この男性の場合、6歳以上の判定基準にあり、日本の法的脳死判定で不可欠な「無呼吸テスト」は行っていなかった。心停止後の解剖では、脳組織が壊れていることが確認されたという。