「脳死状態」診断の小児、半年後自発呼吸の例も
2005年 05月 21日
アサヒコム 2005年05月21日15時22分
国内の小児救急の医療現場で、主治医が臨床的に脳死状態と診断した後も、1カ月以上心臓が動き続けた子どもの「長期脳死」の事例を、杉本健郎・日本小児神経学会理事が20日の同学会で発表した。医療現場で小児の脳死診断にあいまいさが残る実態が浮き彫りになった。
99年から04年まで、「脳死」の診断後に1週間以上、心臓が動いていた子どもは、全国で35人報告され、うち30日以上動いていた子は18人いた。完全な脳死ならありえない自発呼吸の兆候が、診断から半年後に見られた例もあった。意識が回復した子どもはいなかった。
15歳未満からの脳死臓器提供を認める前提条件を探るため、日本小児科学会が全国の救命救急センターなどを対象に調査したデータを、詳しく解析し直した。