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脳死・臓器移植関連


by miya-neta2

【臓器移植】 4案の代表意見要旨(産経新聞)

【臓器移植】A案・中山太郎氏の意見要旨

2009.6.9 19:45

 9日の衆院本会議での臓器移植法改正4案提出者の意見表明要旨は次の通り。

【A案】中山太郎氏(自民)

 臓器移植法が成立して11年余が経過した。多くの患者、とりわけ国内で移植が認められていない小児患者が海外で臓器移植を受ける状態が続き、102人に上る。昨年9月に国際移植学会で渡航移植は認められないと決定され、世界保健機関(WHO)に報告されている。A案は国際的にほとんどの国で認められており、本人意思が不明の場合でも家族の承諾で臓器移植を可能にする。小児の移植の道も開かれる。

 一方で脳死を受け入れられない家族が拒否する道も開かれている。家族が臓器移植を承諾し1回目の法的脳死判定で脳死と判定された後、2回目の判定の際に家族が臓器提供を拒否した場合には、脳死と判定されても臓器移植は行えない。患者は医療保険で引き続き治療を受けることになる。


【臓器移植】B案・石井啓一氏の意見要旨

2009.6.9 19:48

【B案】石井啓一氏(公明)

 B案は本人意思を尊重する自己決定の枠組みを残し、意思決定できる年齢を初等教育が終わる12歳にする内容だ。臓器移植法が成立して12年たつが、いまだに「脳死を人の死」とするのは国民的なコンセンサスを得ていない。移植件数が増えないとの批判もあるが、ドナーカードを所持している人は8・4%にとどまる。免許証など身近な意思表示手段を確保できれば、臓器提供は増えると期待する。

 また移植医療の教育が充実すれば、さらに意思決定可能な年齢を引き下げることができる。社会的な合意がない中で「脳死を人の死」と法的に位置付けるのは拙速だ。段階的で着実にアプローチすることで移植医療の信頼を確保する。長いスパンで見れば臓器提供を増やすことになる。


【臓器移植】C案・阿部知子氏の意見要旨

2009.6.9 19:49

【C案】阿部知子氏(社民)

 C案は人間の尊厳の保持を掲げて脳死に至るまでの治療の担保や生体移植のルールを法制化する。現行の脳死判定は25年前に定められた基準だ。脳死の定義を「脳全体の機能の喪失」とし、判定基準の厳格化を求める。

 子どもからの臓器提供は「第2次脳死臨調」の設置を提案する。救急医療体制は立ち遅れ、虐待を受けた子どもからの臓器摘出を防止する有効な仕組みも確立されていない。子どもの自己決定権、小児の脳死判定基準などを検討すべきだ。拙速な採決は医療現場や子どもたちに禍根を残す。

 A案では臓器提供の場面以外にも「脳死を人の死」とすることが広がるなど人権上問題がある。臓器移植の現状と問題点を伝え、国民的な論議をする必要がある。


【臓器移植】D案・根本匠氏の意見要旨

2009.6.9 19:50

【D案】根本匠氏(自民)

 いまだに「脳死を人の死」とする社会的な合意は得られていない。脳死の考え方は人生観、死生観で異なり、臓器移植に慎重な人の心情にも配慮する必要がある。D案は15歳以上は臓器移植法を維持する。15歳未満は脳死が人の死と受容できる親が子どもの気持ちを忖度(そんたく)し、承諾する場合に臓器提供を可能にする。児童虐待の恐れがないことなどの条件を加え、医療機関の倫理委員会が確認する。

 A案は本人意思を尊重する臓器移植法の立法精神を百八十度転換するもので、欧米の考え方をグローバルスタンダードと見なす。日本には固有の文化的な特質がある。大多数の国民が納得する形で社会的な合意を得ながら、一歩一歩着実に進めるべきだ。
by miya-neta2 | 2009-06-09 22:25 | 脳死・臓器移植