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脳死・臓器移植関連


by miya-neta2

東尋坊で保護翌日に母子3人自殺

社会ニュース : nikkansports.com


 大阪市淀川区のマンションで5日午前4時すぎ、女性と乳幼児2人の3人が頭から血を流して死亡しているのが見つかった。3人は大阪府羽曳野市の女性(37)と長女(3)と生後1カ月の長男。女性は4日、福井県の東尋坊で子供2人と無理心中を図ろうとしたところを自殺防止ボランティアに保護され、親族が実家に連れて帰ったばかりだった。ボランティアは「残念でならない」とした上で、自殺防止体制の早急な整備を訴えた。

 3人が倒れていたのは、東尋坊から約200キロ離れた大阪市淀川区のマンションの駐車場付近。午前4時5分ごろ、新聞配達員が発見し、近くの交番に届けた。淀川署は、マンション10階の女性の母親宅のベランダにあった石油ストーブを踏み台にして飛び降り、無理心中を図ったものとみて調べている。

 女性は4日、東尋坊で無理心中を図ろうとしたところを保護されたばかりだった。保護したのは、年間20~30人が自殺する東尋坊で自殺を図ろうとする人を救うために見回りを続ける「心に響く文集・編集局」代表で、元警察官の茂(しげ)幸雄さん(62)。4日午後5時すぎ、東尋坊の飲食店から「閉店になっても帰らない客がいる」との連絡を受けて駆け付けると、女性がビールを飲んでおり、3歳の長女は「母(か)っか、おうち帰ろう」と泣きじゃくっていたという。

 女性は「観光に来た」と話したが、様子がおかしかったため、ボランティアの女性職員が岩場まで同行。女性が高さ25メートルの岸壁の上で「海に足をつけたい」などとして岩場から下りようとしたため、茂さんと女性職員で、腕を振り払って駆け出そうとする女性を事務所に連れ戻し、保護した。

 女性は福井県警坂井西署に引き渡され、午後10時すぎに車で迎えにきた母親(64)と弟(35)が大阪市の母親のマンションに連れて帰った。5日午前2時ごろに到着したが、その約2時間後の遺体発見だった。淀川署の調べでは、女性は数カ月前から長男の出産のために母親宅に帰省。関係者によると、7月14日の出産後に体調を崩し、育児などに悩んでいたという。

 04年3月に県警を定年退職した後、見回りのボランティアを始め、これまで89人を保護したという茂さんは「亡くなったのは3人が初めて。残念でならない」と話した。茂さんは「迷いに迷って東尋坊まで来た女性が、同じ環境に戻るのは虎のオリに戻るようなもの。環境の違う医療機関などに応急入院させるなどの体制が整っていれば…」と悔やんだ。

[2006年8月6日7時56分 紙面から]
by miya-neta2 | 2006-08-06 07:56 | 自殺問題