UFJニコス「保険証カード」で攻め 来年度、60健保組合と提携
2006年 08月 18日
FujiSankei Business i. 2006/8/18 TrackBack( 0 )
クレジットカード大手のUFJニコスは17日、健康保険証に医療費支払いだけに使えるクレジットカード機能を搭載した「健康保険証カード」の発行で東京女子医科大学健康保険組合と提携したことを明らかにした。同健保が10月1日から健康保険証をカード型に切り替えるのに合わせ、UFJニコスがカード発行業務を受託する。同社は今年度中にさらに10件、07年度中には50~60件の健保組合と提携し、5年後に100万枚の健康保険証カード発行を目指す。
現在、健保組合と提携した健康保険証カードはUFJニコスだけが発行している。同カードは、被保険者(本人)のほか家族にも個々に発行され、(1)現金を持っていないときや旅先での急病時でも診察を受けられ、費用をクレジット決済できる(2)通常のクレジットカードと同様に、紛失・盗難の場合も、届け出により利用できないようにできる-など利用者のメリットは大きい。
また、健保組合は、医療費の高騰や被保険者の高齢化シフトで運営が厳しくなっており、健康保険証カードを採用すれば健保組合は保険証発行業務を大幅に軽減、運営効率化を図れる。
UFJニコスは、政府が推進している医療のIT(情報技術)化の動きと歩調を合わせ、2003年から健康保険証カードの発行を開始した。提携した健保組合は東京女子医大健保組合が4件目。同健保組合の被保険者が約5400人、被扶養者(家族)は約2300人。被保険者はクレジットカード機能付きと機能なしを選択できる。
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【用語解説】健康保険証カード
小額決済用の「スマートプラス」や高速道路通行用「ETCカード」と同じ仕組みで、親カードの子カードとして発行。クレジット機能なしを選ぶこともできる。健康保険証カードは家族全員に1枚ずつ発行され、クレジット機能付きは1家族に4枚まで。
遠隔地の大学に通う子供用にクレジット機能付きを選択すれば、親が保有している「親カード」の口座で決済され、病気でも医療費の心配なく病院に行ける。